[福島祭り歳時記 作者のページ 私の本棚 このページは私個人の読後感を書いたもので、けして宣伝ではありません。装丁及び価格等のデータは購入時のものであり、現在は異なることもあります]
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想いを残したまま現世を去った3人の「幽霊」のお話。初七日までは魂が残るだそうで、現世とあの世の中程「中陰」でお裁きをうけ、その後の行き先「極楽」か「地獄」にすすむ。この世で悪いことをすれば針の山に血の池地獄。徳を積めば蓮の華咲く極楽。遠い昔に聞いたお話が蘇ります。中陰の世界から逆送された3人はそれぞれ姿を変え7日間の内に現世での「邪淫の罪」をはらそうとします。前作の「沙高樓綺譚」といい、不思議な世界のお話が多いですね。本当の幸せを追い求めながらも妻を一度も「愛している」と言わない、もと帝国軍人や 本当の任侠に生きるヤクザの親分のはなしをして、いつもの泣かせる作者の力量には頭が下がります。いや〜それにしてもやっぱり浅田次郎は現代の「語り部」に他なりません。(9/26) | |||||
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何者かに拉致された親友の秘書を捜して、カメラマンの信子の追跡がはじまる。静岡県を中心に組織を置く暴力団は、製薬会社の医療廃棄物を扱い、八甲製薬との黒い癒着が明らかにされる。また一方宗教組織「ユダの光」はその教義から輸血することを拒み、八甲製薬の人工血液「フロロゾル」との関わりが明らかになっていく。予想もしない結末は、人間の血のつながりの不思議さを改めて読者に伝える後編でした。(9/23) | |||||
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かつて人工血液を試作製造した製薬会社に、父親が手術の際に人工血液を輸血の代わりに使用され死亡したという男が現れる。対応した秘書は男から、人工血液の製造に付いて、知らされる。会社の記録には製造の記録はない。人工血液「フロロゾル」をさがしに静岡の製薬研究室まで行った、秘書と恋人2人が何者かにおそわれ、研究室で見つけた「フロロゾル」と共にゆくえが分からなくなる。舞台をスペイン、静岡、東京とうつしながら、事件がすすんでいく。サスペンス小説上編です。(9/12) | |||||
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