読んだ本買った本

葉  月

 仙台藩 玉虫左太夫、南部藩 楢山佐渡、長岡藩 河合継之助 会津藩 梶原平馬 米沢藩 雲井龍夫ら奥羽越列藩同盟藩の家老たちの行動が描かれています。また戊辰戦争後の処世についての記述もあり、各藩の戦争責任者としての家老たちの無念が切々と書かれています

 同窓会の帰りに乗った地下鉄の駅を出るとそこは「東京オリンピック」を迎えようとしているかつての東京であった。地下鉄の駅がタイムトリップの入口となり過去の家族と出会う。兄の自殺を止めようとするが、運命は変わらない。そして一つだけ変わってしまっこととは?

愉 快

 対立する組の総長の玉を取り懲役13年の刑から戻ったピスケン、湾岸戦争の海外派兵に反対し自決騒動を起こし懲戒免職になった憂国の自衛官「軍曹」、収賄容疑を被り国会議員の身代わりに出頭する東大出身の議員秘書「ヒデ」さん3人の「ピタクレス=悪漢」の物語。

愉 快

 定年退職した○暴のデカの退職金三千万円を単勝1.7街の大本命馬に賭けたピスケンの予想は見事に外れる。軍曹はパンツを取り返しに行き、脱柵者の部下とホステスを結婚させ、ヒデさんは三千万円をヤクザからせしめる。シリーズ第2弾。

 落語の発祥から東京、上方落語の比較対照、東西古今の名人上手の噺など、当代人気噺家の語る落語論、面白いです。特に桂枝雀論が素敵でした。

 靖国神社は九段坂上の地にあり山の手と下町の境となる処であり、招魂社を作った大村益二郎は江戸の地を収める為にここを一大拠点としたそうです。靖国神社の前身、招魂社は戊辰戦争の西軍の戦没者の御霊を鎮める為に建てられたのが始まりであり、そもそも靖国神社周囲の一体は普段からお祭り広場的な要素を持つ所として歴史的な考察をしています。

お奨め 

 曹洞宗大本山「永平寺」での凄まじい程の修行は一大発心の「命懸けの修行」です。宗祖道元禅師の教えの通りに法灯をともし続ける永平寺と一人の雲水の修行の有様を描いた感動の記録です。

 愉 快

跡目相続をいやがってオーストラリアに逃げるピスケン、故郷鹿児島の生家を追われ一人ソマリアに向かう軍曹、真夜中のテレビの討論で代議士と対決するヒデさん。シリーズ最後の悪漢3人の話し。

 幕末を江戸の町火消し「新門辰五郎」の目を通して描かれています。徳川慶喜の警護に伴われ京都で活躍する様子や、江戸城明け渡しの前夜、勝海舟と西郷隆盛との話し合いで無血開城が行われましたが、失敗して西軍が攻めてきたときは辰五郎たちによって江戸を火の海にする計画があり、その合い言葉は「虎・虎・虎」だったって信じられますか?ちなみに作戦止めは「豚・豚・豚」です。

 フランスツアーの「光と陰」。ルイ14世の王妃の館で王の調理人が作ったレシピと同じ晩餐を取る「ポジ」のグループ。ツアー代金150万円。一方ワイン蔵に泊まる「ネガ」グループは19万8千。「ネガとポジ」が昼夜交代で部屋を使うダブルブッキングのツアーとは。

お奨め

「鬼の宇平」こと塚本宇平。警視庁の鑑識官で指紋捜査の第1人者。出世と昇進の警察組織にあり、指紋捜査の「職人」として情熱と職責をかけた警察官人生を「3億円事件」「松本サリン事件」など数々の事件を通し指紋が犯人逮捕の顕著となったことが書かれています。